3時間でわかった気になる強制法 その0

ずっと書く書く言っていてやってない強制法のいい加減な導入ですが、まだ当分書けないと思います(ダメ過ぎ)。ちょっと眠れないので一点だけ。

っていうか、わかる必要なんて無いんですよ、強制法がどう正当化されるかなんて。sinの微分がcosになることを証明できなくても、微積分は使えるレベルにわかるでしょう。それと一緒で、細部にこだわらずにむしろ公理的に導入しちゃってよいのではないかと思うわけです。連続体問題というとてつもなく大きな課題を解決したテクニックなので、どうしてそれが上手くいくかに焦点が当てられたのはその当時は仕方なかっただろうと思いますが、もうそのあたりは完全に消化されてしまっているのだから、今から勉強する人があんまり気にするべき部分じゃないと思うのですよ。
そう割り切ってしまえば、押さえなければいけない部分なんてほんのちょっとで

  • Pを半順序集合とするとき、そのV上genericなフィルターGが存在するような集合論の宇宙V[G]が存在すると思ってよい
  • V[G]はVを含むGを元に持つような最小の宇宙になる
  • V[G]の元それぞれに対して、V上にその名称が存在する
  • 強制関係||-というものがV上で定義できる
  • V[G]で\varphi(x_1, x_2, \ldots, x_n)が成り立っているならば、p\in Gp||-\varphi(\dot{x}_1, \dot{x}_2, \ldots, \dot{x}_n)となるようなものが存在する(\dot{x}_nx_nの名称)

くらいかな。これくらいを、ざっくりした定義と一緒に理解すれば十分。微積分と同じで、定義と基本的事実の後にいくらでも勉強しないといけないことがあるのだから、そちらを優先すべきだと思います。

と、いうような方針で本を書いたら偉い人に酷評されて売れなかったと、某女史は言っておりました。私からすると先見の明があったと思うのですが。