遅レス

というか質問(顔 - 白のカピバラの逆極限 S.144-3を解いてみます。Xを何か集合とするときに、その部分集合の族Fがpoint-finiteというのは、全てのXの元xに対してx\in UとなるようなFの元Uが有限個しか存在しないことを言います。そして、位相空間Xがmetacompactというのは、任意のopen cover Cに対してpoint-finite open refinementが取れることをいうらしいです。あー、どうでもいいですね、それは。
言いたいのは、この問題に出てくる直線全部の集合は原点だけ除けばpoint-finiteになっているってことです。Fをpoint-finiteなXの部分集合の族Fとし、fをFの元を非0自然数に映すmappingとします。以下の三つの仮定を置きます。

  1. |F|\leq|X|
  2. 全てのFの元Uに対して|U|\geq|F|
  3. Fの異なった二つの元U, Vに対してU\cap Vは有限。

このときに、Xの部分集合Yで任意のFの元Uに対して|Y\cap U|=f(U)となるものが存在する、はずです(爆)。これが成り立てば元の問題は自明ですね。
証明は以下のとおり。\kappaをXの基数とします。面倒なので、|F|=\kappaとして、Fの元を\langle U_\alpha : \alpha\lt\kappa\rangleと、全てのFの元が非有界に出てくるように並べます。面倒なので、f(U_\alpha)f(\alpha)と書いてしまいます。超限帰納法Y_\alpha(\alpha\lt\kappa)を作ります。仮定としては全ての\alpha\lt\kappaに対して|Y_\alpha|\lt\kappaかつ、全てのFの元Uに対して|Y_\alpha\cap U|\leq f(U)をおきます。
まずY_\alpha=\emptysetで、\alphaが(非0)極限順序数の場合にはY_\alpha=\bigcup_{\beta\lt\alpha}Y_\betaとします。というわけで、Y_\alphaが与えられたときにY_{\alpha+1}が作れれば帰納法は完了です。というわけで、Y_\alphaが与えられたとします。
もし、|Y_\alpha\cap U_\alpha|=f(\alpha)ならば単にY_{\alpha+1}=Y_\alphaとします。そうでないと仮定します。|Y_\alpha|\lt\kappaかつFはpoint-finiteなので、|\{U\in F : Y_\alpha\cap U\neq\emptyset\}|\lt\kappaが成り立ちます。|U_\alpha|=\kappaかつFがpoint-finiteかつFの異なる二元の共通部分が有限なことから、U_\alpha\setminus(Y_\alpha\cup\bigcup\{U\in F : Y_\alpha\cap U\neq\emptyset\})\neq\emptyset、というわけで、そこから元y_\alphaをとってこれます。そんでY_{\alpha+1}=Y_\alpha\cup\{y_\alpha\}として定義します。帰納法の仮定が満たされていることはまあ練習問題ということにしておきます。
Y=\bigcup_{\alpha\lt\kappa}Y_\alphaとします。UをFの元とします。任意の\alpha\lt\kappaに対して|Y_\alpha\cap U|\leq f(U)なので、|Y\cap U|\leq f(U)となります。もしn:=|Y\cap U|\lt f(U)ならば、\alpha\lt\kappa|Y_\alpha\cap U|=nかつU_\alpha=Uとなるようなものが取れます。すると、構成よりy_\alpha\in (Y_{\alpha+1}\cap U)\setminus Y_\alpha。というわけで、|Y_{\alpha+1}\cap U}=n+1となって矛盾します。

やってみて気が付きましたが、Zornに簡単に乗りますね、この証明。集合論関係者には帰納法の方が直感的ですが。
問題はどのくらい一般化可能かってことなんですが。少なくともf(U)\gt 0は外せない、ってことがちょっと面白いですね。