公理的集合論は完成したか?

「…んなわけねーだろ!」というのが脊髄反射的な答えですが。
でも、そういう言葉が学校では教えてくれない数学のcalcさんから出てしまうあたりが、私たち集合論者のアピール不足かなぁとも思うわけです。ゲーデルと20世紀の論理学4 集合論とプラトニズムに松原先生と渕野先生がとてもよく集合論の現在を紹介する文章を書いてくださっているので、そちらを読んでいただけると少しは誤解が解けるかと。
とりあえず、まだまだ解かないといけないけれども解けていない問題ばっかりです。むしろここ20年くらいで重要な概念や有用なツールの量がぐんと増えて、取り組むべき問題の数はどんどん増えていっているというのが集合論コミュニティの中での実感ではないでしょうか。PCF理論、minimal walk、bounded forcing axiom、forcing absolutenessなどなど。ニッチな問題しか残っていなくて困るね、なんて状況では全然ないです。