順序体

(順序体についてお詫びと訂正 - くるるの数学ノートに補足あり)

続・順序体入門

実数体の部分体以外に(極大)順序体の実例はあるのか?

結論から言えばあります。ただ、かがみさんが無意識的に無視したようなものかもしれませんが…。
まず最初に、超準解析で用いる超実数全体の集合を考えればこれが極大順序体になります。
とり方によっていろいろ違うのができますが、とりあえず超実数の定義からしてそうなります。…不親切すぎますね、これは。
数理論理学的にやってみます。重要なのは、順序体の公理が一階の論理だけで書けるってことです。極大順序体に関してもそうですね。というわけで、

  1. Upward Löwenheim-Skolem Theoremを使うと、どんな濃度の極大順序体も作れる
  2. 超準解析の正当化のときのようにやると、有理数体から可算な順序体で実数の部分体部分順序体でないものが取れる。というわけで、濃度が小さい場合も作成可能。

2が相変わらず不親切ですが、ちょっと長くなるのでここでは割愛します。

というところで終わると、「全くlogicianってのは人を煙に巻くだけで何にも面白いことをいいあがらない」とか言われそうなので(爆)、もう少し。
Mを変数とする\mathbb{Q}上の多項式環をとって、その商体を考えます。そんで、Mを全ての有理数より大きいとみなします。この仮定と公理から、この商体上の順序が作れるはずです。というわけで順序体の完成。有理数体の自然な埋め込みは、この順序体上ではboundedなので、この順序体は実数体部分体部分順序体ではありません。
これなら数理論理学が嫌いな人でも受け入れられるでしょう。

あー、なんか構造定理ができそうなんですが、細かいつじつまあわせが面倒なんで誰かやりたい人お願いします。