『放浪の天才数学者エルデシュ』

放浪の天才数学者エルデシュ

放浪の天才数学者エルデシュ

さらっと読了。それなりに面白かったです。いやー、既に変な人を直接見たり聞いたりしているのでそこまでの驚きはなく…。でも、「数学者って何やってるの?」って聞かれたら、この本を薦めてみるといいかもしれません。…みんながみんなここまで変だと思われると困りますが。少なくとも、"Good Will Hunting"よりは数学者の実態に近いかと。

一つだけ訂正しておきたい間違いが。連続体濃度を\aleph_1と言ってしまっているのですが、それはもちろん違います。カントール選択公理がなくても可算無限濃度よりも真に大きい整列可能な最小の濃度があることを証明しています。そして、これが\aleph_1と記されるものですね。いや、もちろん彼は「選択公理がなくても」なんてことを意識していたわけではありませんが。
ちなみに、整列可能な濃度のことをその当時はアレフと呼んでいました。例えば実数が整列できるというのと、連続体濃度がアレフであるというのは同値なわけですね。今はそういう言い方はしないと思いますが。