definable continuum

\Theta実数体\mathbb{R}からの上射が存在するような順序数の上界を表すことがあります。もちろん選択公理がある場合には(2^{\aleph_0})^+=\Thetaとなってしまい面白くもおかしくもないわけですが、問題は選択公理がない場合です。特にL(\mathbb{R})上で\Thetaがどのように振舞うかというのはよく研究されています。*1
例えばV=Lを仮定したりすると、L(\mathbb{R})=LとなりL(\mathbb{R})選択公理を満たしてしまうのであまり面白くありません。ですが、巨大基数の存在を仮定すると\Thetaの振る舞いはとても興味深いものとなります。
濃度が絶対的でないという話がコメント欄で出ていましたが、ある意味L(\mathbb{R})上の\Thetaというのは実数体のより絶対的な濃度を考えるということにつながっています。本物の実数を含むために不必要なものを全部そぎ落としたときに\mathbb{R}からの上射がどこまでなら存在するか、ってことなわけですから。
ZF+ADを仮定すると\ThetaがWoodinになったりなど、とても重要な定義可能な基数であることが知られています。
別に「絶対的でなくてもいいじゃん」というところで止まっているわけでもなく、集合論者たちもそれなりに考えて研究しているんですよってことで。まあ、納得しない人はこんなものでは納得しないでしょうけれども。

*1:L(\mathbb{R})というのは\mathbb{R}を含む最小のZFのモデルです。