日常の論理

はてなブックマーク - くるるの数学ノート - ゲーデルの不完全性定理について少し補足id:jrfに「コメント欄の進展を待つ」なんて言われてしまっているのですが。はてなポイントも(id:jrfさんはほとんどのブックマークでポイントを送付してらっしゃるようですが)頂いてしまって。ですが、コメント欄の話題はかなりテクニカルなことですし、日常の論理ってことに関しては数学的な結論はほぼすぐに出るのではないかと。つまらない話にはなりますが。

  1. そもそも言語があいまいで複数の解釈を許すので数理論理学の意味での論理とはいえない
  2. 論理式というか文からあいまいさが削れたとしても、推論規則が明確でないので数理論理学の意味での論理といえない
  3. 数理論理学の意味での論理に落とし込めたとしても、おそらく公理系が帰納的に記述できないので不完全性定理は適用できない
  4. 公理系が帰納的に記述できたとしても、自然数論を劣化しない形で表現できないと思われるので不完全性定理は適用できない
  5. もし仮に不完全性定理が適用できたとしても、最初から決定できなそうな命題が多いのであまり嬉しくない

高々可算個のアルファベットの有限列はゲーデル数の要領で自然数を使ってコードすることができます。ですので、たとえば日本語で書かれた文を帰納的にコードすることは十分に可能です(文字の数を増やしていったりしなければ)。しかしながら、不完全性定理の証明の肝はコードされた有限列を体系内で十分に分析することができるということであって、そのあたりに厳密さが欠ければ証明を遂行することは不可能です。そして、不十分な体系なら不完全性定理が成り立たないことがあるというのは上記記事のとおりです。
というわけで、あまり面白くない結論ではあります。