無限集合論のお化け

正直なにがどうなってこういう表現になっているのかさっぱりわからないのですが、集合論に対する誤解が広まるのはできれば避けたいので。思想地図vol.5 - hiroyukikojimaの日記の中の話。星野伸明という人の論考に対するとても面白い紹介なのですが、一箇所引っかかって仕方がない文が。

測度論(measure theory)は、簡単に言えば、「無限集合論のお化け」のようなもので、その抽象度の高さは現代数学の中でも際だったものである。

http://d.hatena.ne.jp/hiroyukikojima/20100327/1269666256

この際、「その抽象度の高さは…」は置いておきます。測度論より抽象的な分野なんてたくさんあると思うのですが、最新のmeasure theoryを知っているわけでもないし。ただ、「無限集合論のお化け」ってなんですか?測度論はもちろん無限集合を扱うわけですが、集合論とは全くの別物でしょう。これをそのまま解釈すれば、「測度論は集合論を高度にしたものです」になってしまいませんか?これはどこをどう考えても変でしょう。どちらが高度かという問題ではなく、ぜんぜん違う方向の分野なわけで。
小島先生がどのような意味でこの文を書いたのか知りたいところなのですが、コメント欄がないのでトラバは受け付けているかと思ってブログを書いている次第です。

追記: あ、やっぱりトラバもダメですか。メールするしかないんですかね。