Goldbach予想は独立でない方が嬉しいなの件について

Goldbach conjecture - くるるの数学ノートの続き。
宿題にしてからずいぶん経つので簡単に書いちゃいます。ZFCとある命題が整合的であることを示すための方法としては、強制法や内部モデルがよく使われます。まあ、最近はその合わせ業が多いですが。ですが、ある一定以上にシンプルな論理式の真偽はそのどちらでも変えられないことが知られています。この方面で一番よい結果がShoenfield absoluteness theorem。
んで、Goldbach予想なんかは明らかに変えられないものなんです。まあ、普通に考えればわかるでしょう。もし反例が存在するならば、モデルを拡大しようが縮小しようが反例に変わりありませんから。
それではGoldbach予想は独立にはなりえないんでしょうか?いえ、そうでもないんです。ただし、独立になるとしたら「すべての普通の自然数については成り立つけれども、普通じゃない(無限大の)自然数で反例になるものがありうる」という状態になります*1。これはとっても気持ち悪い。それに、私たちが必死になって拡張してきた独立性証明の技術とぜんぜん違う方向で解けることになる。やっぱそういうのは悔しいじゃないですか。

ってわけで、Goldbach予想はせめてZFC上ではどっちかに解けてほしいなぁと言うのが願望ではあります。

*1:この状況は、普通の人にとってはGoldbach予想は肯定的に解けたというふうに見られるような気もするけれども。