ゲーデル本第四巻についてもう少し

ゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニズム

ゲーデルと20世紀の論理学 4 集合論とプラトニズム

ゲーデルと20世紀の論理学 第四巻 集合論とプラトニズム - くるるの数学ノートに書けなかった細かいことを少し、また箇条書きで。えーと、すべて田中先生による序の話ですが。

  • (p.6)「コーエンの証明方法も、やはりツェルメロの累積的階層の改良である」っていうのの意味が本当の本当に素でわからないんですが。どのように見たらforcingがそう受け取れるのでしょうか?ネームが帰納的に定義されているところしか思いつきません。誰か教えてください。
  • ハウスドルフの扱いが小さすぎるような。彼はハウスドルフパラドックス選択公理の正当性を低めるものではなく、単に3次元での測度問題に対する定理だと言い切っていたはず(Moore本のどこかに載っていた記憶が)。当時の状況を考えると、ここで彼が選択公理を疑いすらしなかったのは驚異的かと。到達不可能基数を最初に考えたのも彼です。まあ、そんな大きい基数を考えても意味がないかなというのが彼の結論だったようですが。いずれにしても、ゲーデルに絡めてハウスドルフが出てきて、到達不可能基数の定義について触れないのは少々不満です。
  • 「カントルの連続体仮説とは何か?」について、「連続体についての歴史、数学、哲学が、選び抜かれた言葉で語られる」と一応評価しつつも、「無謀な試みといわざるを得ない」と締めくくられているのですが。
    • 無謀なだけなら、John Steelが2ページで「Woodin基数とは何か?」ってNoticesかなにかに書いてましたよ(爆)。3/4くらいまではそれでもまともにWoodin基数の定義までなんとか持っていっているのですが、その後突如としてわけがわからなくなります。
    • まあ無謀であるのは確かにしても、それに対してゲーデルが傾けた情熱と出来上がった文章の美しさの方を強調して欲しかったです。読んだことがない方がいらっしゃるようならぜひ読んでみてください。

あ、あとFefermanはフィファーマンという表記の方が原語の発音に近いのでしょうか?あんまり気にして聞いてみたことがなかったので。