集合論オタが非オタの彼女に集合論世界を軽く紹介するための10定理
(元ネタ: アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本)
まあ、どのくらいの数の集合論オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らない集合論の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、集合論のことを紹介するために
見せるべき10個の定理を選んでみたいのだけれど。
あー、こんな象が針の穴を通るより、買っていない宝くじで10億円当たるよりあり得ないシチュエーションってどうよ。もうこの後は普通に行きます。単に自分の集合論観を伝えられるような定理でそこそこ理解可能なものをピック
G. Cantor:
集合論の始まり。少なくともKanamori先生によれば。
N. Aronszajn: Aronszajn treeは存在する。(古典的証明版)
私見では集合論前史(強制法以前、ゲーデルのLは除く)における最も重要で意義のある定理。実質的に、実数体の非可算部分順序も整列順序も逆整列順序(?)も含まない非可算全順序が存在することと同値。
D. Scott: V=Lならば可測基数は存在しない
巨大基数からの超べきの利用の始まり。
Jensen: V=LならばSuslin treeが存在する
◇の話は一応入れておこう。推測列を使った構成のさきがけ。
D. Martin: Suslin仮説は無矛盾。
Forcing Axiomの話につなげるためにMAを使った証明をひとつ。
K. Devlin and S. Shelah: とweak diamondが同値
連続体仮説の影響を強烈に示す定理。シンプルだが独創的な証明。
S. Shelah: 全ての正則基数上にclub guessing sequenceが存在する
PCFっぽい話の例として。
S. Todorcevic: minimal walkを使ったCountryman lineの存在証明
Minimal walkの有用性を示す代表例。次点としてはJ. MooreによるL-spaceの存在。
なんかギャグねたのわりには結構よい感じのリストになったような気が。巨大基数から強制法を使う話とかが入っていないのはちょっとイヤですが、予備知識が結構必要になってしまうので。まあ、いずれにしても、せっかく出来た彼女相手にする話としては超激しくお勧めしませんが。ツッコミ募集中。