非可算無限和

無限 - 白のカピバラの逆極限 S.144-3で非可算無限和は定義不可能だと書いてありましたが、普通に定義できるだろうと思うのでこちらに書いておきます。もっとも、定義できるということとそれが意味があるかということは別問題ですが。
定義は帰納法で。order typeが\alphaより小さい場合の無限和がすでに定義されているとします。このときに\langle r_\gamma : \gamma\lt\alpha\rangleを実数の列として、その和を定めることにします。
まず最初に、\beta\lt\alpha\Sigma_{(\gamma\lt\beta)}r_\gammaが発散してしまっている場合には、\Sigma_{(\gamma\lt\beta)}r_\gammaも発散と言うことにします。これ以降は全てのproper initial segmentの無限和が収束していることを仮定します。まず、\alphaがsuccessor ordinalで\alpha=\alpha'+1と書ける場合には、\Sigma_{(\gamma\lt\alpha)}r_\gamma=r_{\gamma'}+\Sigma_{(\gamma\lt\alpha')}r_\gammaと定義します。\alphaが極限の場合には、もし実数Lが存在して任意の実数\varepsilon\gt 0に対して\beta\lt\alphaが存在して、|L-\Sigma_{(\gamma\lt\beta)}r_\gamma|\lt\varepsilonとなるならば\Sigma_{(\gamma\lt\alpha)}r_\gamma=Lとします。そうでない場合は発散です。∞に発散というのもまあ同じように定義できるでしょう。

最初に書いたとおり、非可算個のr_\gammaが非0の場合には自動的に発散になるので意味はあまり無いです。とはいえ、意味の無い定義が一般理論に役に立つことも多いですし、まあそれにill-definedとは言いがたいとは思いますので。