3時間でわかった気になる強制法(その1-2の蛇足)

うちの師匠は院生向けの集合論の授業で強制法についてしゃべったとき、前段のNについて、「L_\gammaがあるじゃん。γをうまく取ればそうなるでしょ」と言ってました。ここで私はわりとシビレてました。Working mathematicianの感性として、「なんだかわからないけれども可算無限で推移的なΓのモデル」とか言うよりもL_\gammaという(γという順序数をパラメータとしていても)かっちりと構成されたものをとってみるのはよい戦略でしょう。こういう小さいところから、「まずはよくわかっているものから」とか「バカバカしいほど単純な状況でどうなっているかよく見てみる」とか「絶対にうまくいかないと分かっている筋でもとりあえずまとめておいてから、どこを直してやればまともな証明になるか考えてみる」とかみたいな、数学者としての実戦感覚を学んできたものだと思っています。