集合論

もう少し詳しく書いてみる(その1)

全順序集合 - くるるの数学ノートをもっと丁寧に書いてみます。発端は以下の有名な定理です。 自己稠密で、最大元、最小元が存在せず、可分で、cut-completeな全順序集合は同型を除いてひとつしかない。 定義をちゃんと書いておきます。全順序集合(totally o…

 集合と位相

なんで、日本ではこの二つをセットとする本や授業が多いんでしょうか?歴史的な経緯とかがあるんでしょうか。以下、amazon.comでの"set theory and topology"の検索結果と、amazon.co.jpでの「集合と位相」の検索結果。 Amazon.com: "set theory and topolog…

全順序集合

イガさんのところでの全順序の話の続き。以下の予想が成り立たないという反例の構成をやります。 全順序で、最小元と最大元を持たず、濃度が κ の稠密部分集合を持ち、上に有界な任意の空でない部分集合が上限を持つ、稠密な集合で、その濃度がであるものは…

Magidorの業績その2

もう一つ、Magidorの結果として有名なのは"identity crisis"と呼ばれている現象。定義は省きますが、可測基数(measurable cardinal)、強コンパクト基数(strongly compact cardinal)、超コンパクト基数(supercompact cardinal)という三つの巨大基数があります…

補足

Magidorの業績、その1 - くるるの数学ノートへの補足。このMagidorの定理に基づく楽観的な見方を最終的に打ち壊したのが以下のShelahの定理。 If , then 集合論で最も驚くべき結果、と言っていいんじゃないでしょうか?これを証明することを可能にしたのがP…

Magidorの業績、その1

えっと、いろいろあってとてもムズムズしているので、ざっとMagidorの業績のうち一つについて書いておきます。Menachem Magidor、1970年代以降の集合論の進歩を語る上で欠かせない人物であり、現在はヘブライ大学のpresidentである。今回取り上げたいのは以…

遅レス

というか質問(顔 - 白のカピバラの逆極限 S.144-3を解いてみます。Xを何か集合とするときに、その部分集合の族Fがpoint-finiteというのは、全てのXの元xに対してとなるようなFの元Uが有限個しか存在しないことを言います。そして、位相空間Xがmetacompactと…

基数と順序数

ご主人様にはは順序数のべきに見えるそうです。すなわちであって可算順序数となるらしいです。基数のべきはと書くべきだと怒ります。 好みの問題じゃないかと思うんですが、なんでもハンガリーの人たちなどは論文の中で使い分けちゃっていて解釈が変わってし…